消費税5％という数字
消費税の引き上げ論議が高まってきました。政府の歳出入改革論議では、「最大でも１～２％で済む」との声や、「消費税１0％程度は必要」との声も上がっています。09年度には基礎年金の国庫負担が１／２に引き上げられるため、本格論議は２００８年以降に先送りされる可能性が高いようです。
ではこの消費税５％という数字は、世界各国の中で見た場合高いのか、低いのでしょうか？消費税は税制の一部ですので、この消費税だけで妥当かどうかを議論することはできませんが、消費税は景気が上がれば税収が増え、景気が悪くなれば税収が落ちるという非常にわかりやすい税制ですので、世界各国で採用されています。（消費税の一般的な名称は「付加価値税」と呼ばれています）
世界主要国の付加価値税をいくつか紹介すると、デンマーク・スウェーデン・ノルウェーは25％、ベルギー21％、オーストラリア・イタリアは20％、フランス19.6％、オランダ19％、イギリス17.5％、中国17％、ドイツ16％、アメリカは連邦での付加価値税はありませんが、州税としての付加価値税が平均8％程度あり、カナダは連邦として7％、州税として7％前後の合計15％程度発生します。
各国の状況を見て5％程度の消費税率は世界の中では決して高くないこと、同時に税率の高い国々は、福祉国家と呼ばれる国々であることがわかると思います。（中国は違いますが）
現在の消費税は各国に比べて高くはないのですが、むやみに上げても国民は納得しないのではないでしょうか？政府に求めたいのは、消費税を上げる前にきちんと日本の国家財政の状況や、改善するためにどうするべきかを国民に説明し、その使用用途を明確にするべきだと思います。
